いえのまえのにわ

中庭を歩いていると、傍に一匹のくろねこ


私が近づくとにゃーとさっさと何処かに行ってしまった。


別に僕はこの猫に対して敵意を向けていた訳でもなく、ただそこに猫がいるだけ以外の認識を持ち合わせてはいないのだ…


しかし、猫は颯爽と走り去った。猫は僕の気持ちを読めてはいないのだ、それはそうであろう猫なのだから。


僕は何だかこの猫の気持ちが分かった。勝手に脳味噌の中で恐れ慄いて、ほとんど本能的に植え付けられた偏った思想で判断する。それは予めかじめ備え付けてあって、何時でも取り出せるようにしてある代物である


このねこさんとは仲良くできるかもしれない。速攻逃げられたけど。