今朝

7時半だった


暖房のせいか、水気のない空気。その乾いた空気たちが水を求めて私の身体に入り、要件を済ませたら、すぐさま慌ただしく外に拡散していく…


そんなことを意識的に繰り返す。その内に徐々脳味噌が、身体が今日の世界に順応してくるのを感じた


しかしそれは、あまり気持ちの良い朝とは言い難かった。脳が起動する段階で、何かが私の中で引っかかっていたのが所以である


その正体はすぐに理解できた。


というのも、それは昨日の友人の話だった。それは二年以上付き合った彼女と音信不通になりとうとう浮気現場を目撃し消滅寸前だという類の話だった


先に言っておくが、私にはそんな破天荒な恋愛経験は存在しなかった。


分からない。私が想像を幾ら膨らましたところで、それは妄想の範疇を越えず、実態を伴わない。それは一筋の線香の煙が大気中に散っていくように。儚く、途中で消えてしまう。同情するという行為の前段階、その事象を理解するという段階で私は苦しんだ


そこで私はその手段を取るのを止めてしまった。次に出てくるのは侮蔑、嘲笑といった道具である


こういった低俗と思われる手段は、同情の同列でなく、対岸に存在するものと思われるかもしれない


たしかに中途半端な、幼稚な同情ほど不愉快なものはこの世にない。


それでも私はそれを紐解こうと、努力すべきだった





そんなことを考えていたら、身体がベットから自然に起き、また、1日が始まってしまった