ツマラナイ説教

ちょうど、お茶の水で乗って来た親子だったか…大きなランドセルを背負った少年が、叱りつけられていた


「じぶんがやられていやなことはほかのひとにはしてはいけません」


僕は何度となく、あの狭苦しい整然とした教室でこれを聞かされたものだ


しかし、この教えは、殆ど意味をなさないことが…もうそれは、随分と昔からはっきり分かりきったことではあった


結局、他人に、自分の中で働く法律を適用しても、何ら効力を持たないし意味がない。


各人は、その人自身の法やシステムやアルゴリズムみたいな下地の上に成り立っていると思うからだ


勿論、僕と似たような精神システム、アルゴリズムを持った人間はいる。大抵、そういう人間と同じ時を過ごしていても疲れない。それは自国の法律を他国でも行使できるし、またその逆も可能だからである。両国をほぼ土足のまま往来であり、そういう人間を私は、俗に呼ばれる友人と考えている


もし私が素直に尊敬できる人がいたとしたら、その人物は他人のルール。複雑に絡んだそれを一つづつ解きほぐしながら…その上で行動できる人間だろうか、要約すると


ほかのひとがやられていやなことはほかのひとにはしてはいけません


だろうか?








多分そんなの、むりだろう。と僕は自分でも笑ってしまった