不死身

わたしのは、確かに足りていなかった。卒業要件取得数に


そう、確実に不足していた。事実として、ただ、私はそれを見て確認した後も至って冷静であった、いや、確かにそれは強情の飾りという感じはなかった


ただそれにはーこれまでの経験上から来る、暗い底に落ちていく私を、背後から支えてるくれるという存在を


終電の乗り換え。私一人だけ悠々と、怒涛の如く階段を駆け上がるスーツ姿の男達の中を、ゆったりと手すりに身を預け、登っていく。そういう不確かな安心感に何時も私は、無意識のうちに縋っていた


私が、この自宅の5階。ここから、このかわいい白いペンキの塗ってある柵をひょいと乗り越えて…私は死ぬのだろうか?そんな気が、実のところ起こらない。


教授に言われた、きみは甘い、ということばを思い出した