西陽

 西陽、それはブラインドの上に薄っすら積もる埃を、いつもよりも、少し、際立たせてくれるようです。この時間に家にいることはあまりありませんが、昨晩帰宅しなかったのもあって、洗濯と風呂のために帰りました。

部屋のホワイトボードに西陽がスポットライトのようにちょうど当たってか、わたしは何と無く、無感情で見つめておりました。5/30と、大きな字で力強く、書き殴ってあるのに気付きました。それと横に小さく、丁寧に、家賃27日と添えてありました。

さっきより日が沈んで暗くなると、ホワイトボードにいた西陽も何処かに消えていきました。5/30という文字はもう、今にも動きそうな予感を、わたしに与えることはありません