これはただのハリケーンなんです

わたしは家の鍵を開けて玄関をくぐる。

白色光、布団もふにゃふにゃでソファーも断層ズレ地殻変動のごとく位置、 配置も変わっているようだ。飛び散った書類にチラシ、水位の少々下がった飲みかけのコーヒーに見たこともないものが詰め込まれた見たこともない段ボール。

わたしが出勤するのは8時00分。お嫁様の出勤は8時20分。

この短時間でこれだけの甚大な被害を与えられるのは、これは自然を超越した大そうな鬼才である。

わたしのお嫁様は仕事が早いことで巷では有名であったがその実力たるを今回の被害状況を一目、一見しただけで垣間どころではなく脳裏にしっかりと焼き付けられる。

 

下記の絵は、マリーアントワネットな罪深さを誇るわたしの豪奢な昼食の製造現場を示したものです。

 

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Fig.1  調理様子図

 

当たり前のことをドヤ顔で申し上げて誠に申し訳ないが、これは我妻の愛妻弁当である。新婚生活たるもの、妻が毎朝玄関まで仕事に出る夫を見送り、そっと、軽いにこやかな笑みと共に、これを持たせてくれるものである。

加えて

「山本、今日もおまえのパン黒いな」

という御言葉を毎昼、課長から頂けるのである