話がちょっくら長過ぎる老人

唐突だが、私が前にいた寮の長、その寮長の話は大変、長い事で有名であった。その話の長い寮長は、一説によると、Twitterをやっているとの噂がある。

寮長がTwitterを行っているという事実が、何故にややネガティブなニュアンスの噂として、それを伝ってて他の寮生の中を流るるのか?

そこにはあの話好きな老人、帰還した灰色の寮生をアニメ一話分程度は玄関ロビーで塞きとめ、御婦人の惚気マシンガンを浴びせしめて、紆余曲折つづら折りの登坂車線を爆走したのち最後に朝ごはんを食わんとは社会人失格だという理不尽極まりない烙印を皆の、一人一人の額に丁寧に押し、我々一同は根刮ぎ大木がへし折れる暴風の中全裸で身震いしながら嵐が過ぎ去るのをじっと待つのである。我々皆の足に、依然としてはめ込まれいた。工場の、あの重鈍な靴が。

還暦を超えた初老の男がTwitterを貪る。仮に彼が現役アイドルに粘着気質なリプライ、という名の火炎瓶を叩きつけてそれなりの火災が生じようが、彼の年輪の具合などは到底話題にはならず、そもそもわからんので議論の対象にはすらならず、そういう人間はうようよそこらに彷徨っているのである。よって寮長という年齢的制約は、Twitterをするということに対する制約にはなり得ず、全くの無関係であるし特段稀有な事例でもないのだろう。寧ろ、Twitterは彼にとって素晴らしい遊戯である。管理室の防犯カメラ映像の横に鎮座するテレビにそろそろ飽きてくる、昼ドラの展開に限っては五感のうちの視覚と聴覚の差し押さえを喰らったとしても何とかやり繰りして脳内スクリーンの果てに映像を起こすことくらいは彼に言わせれば朝飯前だと私は踏んでいる。

長らく、纏まらなく記したが、私は彼の存在を強く、ただ肯定していたいだけだろう。