メリハリがGを殺すとき

チョロQ

ゼンマイを巻きに巻いて放たれるあのレールガン。

 

妻はよくゴロゴロしている。”ゴロゴロ”より”横たえている”という表現が微妙にしっくりくるタイプのほんわかした脱力感。あの脱力感の裏側で妻からカチカチと機械音が聞こえるような気がする。家ではLayingがホームポジションでたまに動き始めたと思うと凄まじい速度で動作を起こす。ゲージが溜まって放出・発散されたようでもある。瞬間的には急峻なムーブだが、どんより横たえてるときが長いというのがあって時間平均してしまうとグダグダしている、という判定が下る。彼女は時間平均評価的な日本では息苦しいのかもしれないとつくづく思う。

妻は自分でわたしは怠惰な人間だとよく言う。半分正しいが半分違う。関東から親を呼びよせても殺すことができなかったゴキブリに最終的に引導を渡したのは妻だし、そういう点では妻はこの家で”やるときはやるキャラ”をちゃくちゃくと確立し始めている。

やるときはやるキャラなるものが亭主関白の必要条件ではないかと考えると、わたしは将来の亭主候補から一歩後退しつつあると思われる。亭主関白でない亭主はもはやそんなもんは亭主でない。亭主と関白は同じものを指しているように思われてしかたがない。