すいみんうぉっち

18:00

寝ている人間というのはこんなにもつまらないものか、と思い知らせる。

わたしの携帯の命もまさに風前の灯といった具合で、どうにもこうにも本の一冊も無いしどうでもいい空想に耽る以外に、サンマルクカフェで過ごす術はないのだろう。

目の前の寝ている彼女は口をぱかぁとしてそこからは透明感ある雫が伸びては、重みに耐えられずぷつり切れる。という一連を繰り返して、自分に右腕に艶やかな、クレープを薄く熱いプレートにさっーと広げた様な涎の膜を生産している。

もう既に、彼女の親戚達とのビアガーデン宴はとうに始まっていた。彼女の親戚達が住むここ広島に遥々やって来て、彼女は結局、工場の夜勤勤務のツケが爆発してこの有様である。

18:17

血走った眼で

今の音何!

とちょっと外向けの出来る限り可愛いらしい声を作ったが寝起き感を隠しきれない何とも妙な音、そんな声を出した。わたしは

コーヒーを挽く音だよ

と説明した。