2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

なれませんでした

29歳Kはやる気で満ち溢れていた。既にサンダルを脱ぎすて裸足になった。 天気は良好。岐阜の高地。強い日差しはあるものの涼しげな風が素足の上を通過する。赤色の塗装でポップな感じのコンクリート地面。2.3mおきに水が地面から垂直に、空に向かって噴き上…

29歳、夏の夜のサーティーワン

夜のサーティーワンに事件なぞあるわけもなく。汗でぴっちゃり背中とTシャツが引っ付いている中国人、歯切れの悪い日本語でナッツトゥーユーとオーダー、kpopを意識した異様に色白脚長の女子高生が丸テーブルを囲いながら、各々の端正な顔はスマホに照らされ…

A

レゴブロックやM6のレンチ穴が空いたボルトが床に転がっている状態について、鼻をかんだティシュがワックスの剥がれたフローリングにへばりついている状態について、金魚の丸っこいラムネみたいな餌が地面に咲き乱れる状態について。 その状態について、なに…

M

----貴女は、何故読まずに語るのでしょうか?何故、ここまでにして読まないことに拘るのか?読むことは、知ることは穢れでしょうか? 妻 読むことは、とても大変で到底わたしには無理ですね。それをやらなければならない状況に追い込まれればしますが、…

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Quick pay!!! ずるずるとレシートがレジから吐き出されてそれらが溜まりに溜まった受けにぼとん落下した。 無限なるオアシス。この悪魔はわたしに買物する機会をあたえる天賦の才を持ち合わせている。その名はQuick Pay。なんだかよく分からんが端末をレ…

T

妻のパジャマが綺麗に切取られていた。私は良い布だ!と思って何かに使った記憶があるのだが、何に相当する部分を忘れた。一応、謝った。彼女はそこまで怒っている様子はなかった。何年いても妻のことが分からない。

O

本当に。わたし以外のこの世のあらゆるもの、万物が大人という生き物で構成されていると思うのは錯覚をとうに越して実感のレベルに達している。ひとと話すということ一つとっても、あんなに楽しい事であるに関わらず、他者に対してここまでかと思わせる程に…