豊橋の動物園で買ったパズルだ。色んな動物が複雑に絡み合いながら、一枚の絵を完成させている。
とくに注目すべきは、それぞれバラバラな形状をした動物たちが全体として、角丸四角形のフレーム平面に寸分の狂いもなくコミットするという点で、その視点でこのパズルを眺めたときに、わたしはチームの為に己を犠牲にした一つの動物が目に入らぬわけにはいかなかった。
その存在者は、このパズルの中央にいた。
MBTI的には外向感情Feをフルに働かせすぎた末路であり、四角のフレームという単調な幾何学を信奉し続けた哀れすぎるturtle海亀は、自身の身体を奇妙に捻りながら、もはやこれは失敗した目玉焼きのごとく、不気味さを感じずにはいられない。
ここで教科書にも載っている若山牧水の有名な短歌をひとつ引用してみる。
白鳥は 哀しからずや 空の青
海のあおにも 染まずただよう
わたしもこの海亀は、ただようように感じた。ぷかぷかと、動物園という異質なコミュニティに、文字通り浮いた存在として、そこにたたずむ。身体をここまで捻りに捻ってでも、間にありたいのはなぜなのか。