ファミチキで線を描く

[ファミチキで線を描くとね]

アスファルトは夕陽から放たれる一線を此方にくれてやった。逆光、あのガールズの黒い影がこちらに向かって、その手を伸ばす。

彼女はきっと右利きだろう。

と、なぜかこの逆光のなかその程度の感想を抱けただけでも、私はこれ程の嬉しいことがあるのかと思った、思ってしまったわけです。

左手にはふわりとした塊を指で軽く折り曲げて、手を止めたまま転がして遊んでいる。

滴り落ちるのは、右手の方々からでガールズがそれを強く握るのがこちらから分かると、またそれはぽたり滴り落ちる。丁寧に舗装された路面に

私がガールズと定義した一応の存在は、眩しい西陽に立つ何かであって正直なところまだ何者でもすらない。今のところ確からしいことが一切ないしその確からしいことが、何か今後、将来的に増えていきそうといもの、新鮮な希望をこちらに抱かせる隙というものがないように思う。

私はその希望とやらを一切腰にひっ提げない割に、このお話しの底を、ガールズが硬い路面にファミチキを押し付ける様子を、アスファルトにべったりと肉脂が.....それで線を描くために腕をワイパーのように動かすはずである。そのはずだ。

ガールズはこの惣菜で何を描くのだろう?

眩しい、眩いが彼女の右利きが、右利き?が暗い顔と思しき方にゆっくりと向かってく。

刹那、陽が傾いた。その表情が伺えた。表情に動きはない。無機的な冷たさ。

整ったその顔に現れる唯一、唯一の動きは口元だった。