総武線上り列車

別になにをする訳でない。ただ、これから研究室に戻り、酒を飲みに行くだけだ


この時間帯の総武線上り…いつもは反対の電車からつり革を握り締めて、羨ましそうに眺めている…その総武線上りである


ただ、その実態はそこまで羨む程のものではない。勿論、席には座れるが


そこに広がるのは、これから仕事なのか煌びやかな衣装でぱっぱと化粧を続ける女、席の半分を占有する浮浪者と、その下を慣性力に身を任せてカラカラと乾いた音を立てて転がる、中身の少し入った缶コーヒー、その缶が転がって自分の足元に近づく度に向かい中年の会社員がチラッと私をみて


俺がやったんじゃねぇぞ


感をガンガン出してくる。勿論これは私の脳内で講演されている寸劇でしかないが…


なかなかに不愉快な寸劇である