3・19
お家でざる蕎麦を食ってもテンションが上がらないという時代がわたしにもありました。
幼少期からの記憶で、テーブル中央で山盛りになった蕎麦を家族でつついて食っていたが、山が依然山を為してることによくよく絶望しながら、それ啜っていた。食への感謝なぞ皆無な野郎をやっていた。
家で蕎麦を食っても何故にテンションがこうも上がらないか?
これについて考えると、一番大きな要因として基本あの乾麺であって、あれはただの乾麺で生じゃないので、やはり心の底を押し上げるエロさが奴には足らない。
したがって、足らないものは仕方ないので何か別の要素で補おうという方策に頼らざるを得ない。他にポジティブな部分が見出せればよい。
家そばを別の次元に昇華させる秘技は、何たるであろうか?
ねぎ?いや、足らん。擦り下ろしたワサビ?、まだ足らん。
煎った胡麻?
いや、辿り着いたものは、卓上のリーサルウェポンであるネリゴマ氏だった。ネリゴマ。
基本的に煎った白胡麻(黒)を練ったもの、それがそのままネリゴマなるものだろうが、焙煎具合が色々あり個人的には香ばしさがあんまりない方が好みだ。
これが家蕎麦に革命を起こした。
この蕎麦から得られた知見としては、オプションパーツが結構有効だということだ。
要はオプショナルパーツを刷新することによって、マンネリから脱出できるかもしれないし、異空間に跳ぶことができる可能性があるのではないか。
うちの冷蔵庫に永らく眠る里芋があった。
この眠れる獅子をこのまま味噌汁にぶっ込んだりしてもまぁいいのだけれど。
何とか彼を主人公として立ててみたいという謎の欲望がわたしに立ち上がった。この欲望の理由は何かはわからないが、日の目を浴びることがない里芋への同情心なのか。
里芋に同情すると聞くと、このひと暇なんじゃね?と思う方がおられるかも知れないが、まさにその通りで、わたしはここ一ヶ月は休職しており暇をクソほど持て余している。
逆にいえば、休職を選択することにより冷蔵庫の片隅で体操座りする里芋に手を差し伸べることができる寛大な心を手にする訳で、休職ないしは失職は意外に悪いものではないかもしれない。わたしのように元気ならば、だが。
里芋に話を戻しますと。
里芋を中心に添えたチーム編成を考える。
今朝やったわたしの試みは、里芋はやっぱジャパニーズな芋なので、ちょっとこう外して、ちょっと外しまして、フレンチな要素をappendしちゃいたいな?と思ったのですね。
そうしたら意外といいんじゃないかと。
フレンチな要素が何か考えると、4GBドンキPCのようにフリーズしてしまった。
とにかく里芋を別のn次元空間に写像したいわけで、ジャパニーズ味噌汁空間から抜け出したい。
里芋はとりあえずただ単にオリーブオイルで焼く。以上。問題は里芋にかけるオプショナルパーツの部分で、ソースの話だ。
ソースとなると、酸味+油+塩分+水分がいい塩梅で調整されていればいいという経験則があったので、レモン水と白ワインビネガーで酸っぱさと水分を取りつつ、バターとオリーブオイルで油分を確保してあとは脳死でクレイジーソルトでもふりかけておこうという戦法でいこう。
冷蔵庫に帆立少々と玉ねぎの中途半端な残りもあったので、それも粉々に刻んでオプショナルパーツとして馬車馬のように働いてもらうことに決定した。
なんかオプショナルパーツとやらがなんだかわからなかくなってきた、今日この頃。
※写真の後ろのスープっぽいのがゲロっぽいですがゲロではありません。気分を害された方は大変申し訳ございません。