まじかよ!!はなまるうどん!!

はなまるうどん」のかけ小が270円になったという事実を先ほど妻から何気なく知らされて、私は今世紀最大困惑の中で息をしているわかだが、なんでそんなにも勝手に呼吸困難に陥ってるかと問われれば、「はなまるうどんのかけの小」が私の浪人時代の命を繋いだ一杯であっからに他ならぬ。

年齢的に辛うじて受け取れるボーナス「お年玉30k」だけが頼りの無計画な浪人生には当時、「100円程度でそれなりに腹を満たせる」というのは、はなまるうどんマクドナルドのポテト全サイズ150円の時のみであった。ポテト全サイズ150円はそこそこ長い期間やっているものの、不定期で安定的に浪人生の腹を満たすことはできない。また、ポテトという油分を含む炭水化物は眠気にもつながり、ポテトLサイズを夕方に食べてしまった日には、夜の自習室で15分仮眠を取るという体で目を閉じると、受付の女性に起きてください!とまるで終電で寝過ごした際の車掌のような最大級のやれやれ感と共に、丁寧に駿台予備学校の閉館を知らせてくれるのだ。

話は長くなったが、腹持ちの良いうどんは浪人生に取って紙とペンに並ぶ強力なツールであり、完全食をゆうに超越する超絶ウルトラなスーパーフードであった。それは間違いなく、その、はなまるうどんの最強にして最小コンパクトにして、速さのために無駄なもの一歳削ぎ落としたF1マシンのような可憐さをもったあの「かけの小」が3倍もの価格に膨れ上がったこと、今の物価上昇よ経済状況を鑑みても、2012年を思いやり悲しくなった。

はなまるうどんのかけ小の値上げの歴史をみると、ここ十年で段階的に値上げしており、2013年には100円から130円に値上げしている。この値上げは、かけ小は別売りの揚げ物やおにぎりと一緒に購入することが前提にされた商品であり、浪人生のようなプライドの低い貧乏人がドヤ顔でかけ小を頼むという事態が多発して、とうとう当局も値上げに踏み切った、との根の葉もない分析もネット上にあった。が、これによれば2012年世代の浪人世が次世代の浪人生のオアシスを枯らしてしまった、とも考えられなくもなく、わたしもその一端の責任を感じてしまう今日この頃である。