肉塊を焼く男

「おっ、今日は何作ってんの?」
左横のコンロで豚の肉塊をひたすらに焼く同期の男がわたしに、尋ねた
「今日はぶり大根というのやらに挑戦しておるよ」

「おー煮物か…よくやるね…」

と一言、友人は自分の肉塊に目を戻した。突如、僕に何とも言いようのない恥ずかしさが襲った。僕はぶり大根を作ることを確かに、自ら望んだはずだったのではないか…
私は火を止めて、さっさと平皿にそれらをよそうと、自分の机まで運んだ。

今日は失敗だったと呟きながら、堅い大根を口一杯に詰め込み、白飯をかき込んだ。

7時なのにまだ明るいな、そんなことを思いながら窓際から沈みゆく太陽を、わたしは眺めていた