仙台来ました

こんにちわ、山本です

 

仙台への引っ越しも、色んな人のお手伝いもあってか(正直私はほとんど何もしていない)、一応落ち着いたこともあって、一人で占有するには申し訳ないような空間、この新居にて文字を刻んでおります。

 

身の回りのすべてが、一新されました。この無駄な空間、冷蔵庫、カーテン、机、いす、自身の心境までもが・・・それらに埋もれた私は、必死に、雪崩で雪に埋もれた人間が空気を求めるように、「変わらないもの」を求めてるように感じます

 

わたしは、今日は特に用事がなかったため、家にじっとしていました。実家にいた時から家に一日中じっとしている日は、「お昼は近所のパン屋に行く」というのが休日の私の慣例だったので、ここでの生活を始めた今日も、その慣習を引きづってか、パン屋に行こうと思ったのです

 

私は、てきとうに近所にでる簡単な恰好にコートを羽織って、外に出ました。

 

が、

 

そもそも、パン屋はどこだろうか?

 

手元の携帯で調べると、2.5km先の商店街に一つパン屋があるらしかった。少し遠いが、街の散策も兼ねてすこし歩こうか、という運びになりました。くねくねした坂を下って、何やらいろいろと考えを巡らせていると、思いのほか早くそのパン屋についてしまいました。

 

煉瓦造り風のそのパン屋は、小奇麗なビルの一階に位置しており、漠然と、繊細で清潔なイメージを私に与えました。この日の天気の悪さも相まってか、そこにさらに冷たく、冷淡な感覚も付加されました

 

あの、人が作り出す活気や、すれ違えないほど狭く窮屈な空間、薄汚れた外観、雨風にさらされて風化しつつあるあの看板・・・それを、わたしは思いだしておりました。

 

結局、私は店に入ることもなく、その場を後にしました。私が、雪に埋もれて窒息してしまった方が楽であることを、それを悟った瞬間でもありました。