のっそりと、いざ暇という時間が与えられるとなにもできないわけで、時間を優雅に持て余す遊びをする訳だが、これもこれで遊びとして成立していなくもない気が、しなくもない。

 

昨晩の華金は、3年前に行きづりで偶然席が隣で呑んだオッサンと再び盃を交わしたのだった。Hさんは知立駅前の鳥貴族のビルの一階で待ってる旨のLINEを集合時間の30分前に放った。やる気満々のHさんを当然寒空のもと待たせる訳もいかず(私も早く着いて一人ミスドで休憩してたので)、即座に現場に急行した。

そこには恐らくあれがHさんだろうというのが、いた。マッチングアプリで見知らぬ顔同士が出逢うときのドキドキ感を否定はできなかったし十全に楽しんだ。目の前にいるのは白いジャージに身に固めた初老のおっさんであるというを、除けば。それから約二時間ほど呑んで見事にキャバクラに吸い込まれていくHさんに手を振り見送りつつ、私も帰路についた。

 

そういえば、Hさんと呑んでいるとき、可愛過ぎてどうしようもない娘を思っていた。

正確には、娘が遊べる空間を作るという口実のもと、106号室の内部に構造物を展開したいという欲求が漠と覆っていた。こういう欲求は、どういうところから来るのか?結論として非常にミーハーな私はその時その時に学んでいることから来るのであるが、何を色々中途半端に勉強しているかと思えば、位相空間とライン設備設計とさしも興味の薄かった建築家の公演でサインを頂くために買った本の内容が意外にも面白く(建物のスケッチや図面)、とにもかくにも、そういうマイブームのような総合がこういった脳内の構想、欲望を形作っているらしい。

 

最近仕事で、ここ1ヶ月くらいはダクトをどう広大な工場に張り巡らすかに途方に暮れておりやけを起こして娘の移動をダクトで規定し、社宅をダクトで埋めてやりたいとさえ思う狂気を患いはじめた始末だが、ダクトというと、やはりプレジデントの超重要会議をそこから侵入して盗聴するという一連のファイナルファンタジー的な世界観が私を一貫しており、そこが謎の男子っぽいワクワクを産んでいるのだと思う。さすがに娘をそんな見知らぬ性癖に巻き込む訳にいかず、それは実行されることはないだろう。