寮から社宅へクビをふる毎日

寮から社宅へ。今の私の寮の一室。ご大層な荷物という荷物はなくて研修で溜まった書類とか明後日のお嫁様に渡された輸入モノのプロテインとか野外活動で重宝される江原のタレ(黄金)とか純潔と対極に位置する珈琲メーカーくらいである。

社宅の広さは3LDKという当面、2人の人間で住むには広大ですが、あと何日もすればゆっくり物による空間の侵食、そんなのんも進んでいってそのうち十把一絡げ有象無象、張り切り過ぎたマダムの弁当箱化が起こりなんというかトンデモナイことになっちゃうかもしれません。

 

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Fig.1 ねつりきがくだいにほうそく。

 

………………

早速ですがお嫁さんがジモティというアプリ(地元の面々が要らんもんを押し付け合う)で扇風機をもらってきて意気揚々、我々はスイッチオンをかますや案の定というか、あの風切り音と威勢のいいモーター音は鳴り響くことなどあろうこともなく。代わりと言ってはなんですがお嫁さんのドライバーヲモッテキテという号令が鳴ったので背筋をシャンとして走っていき額に汗が分厚く載った状態で分解道具を渡すとニッコリ、手を動かし始めました。

 

 

 

OMAKE


扇風機の首振り機構

 

(モーター後ろ、しめじみたいの押し込むと首回るじゃないすか?首回るのと風送るのはそれぞれ別々のモーターからの動力ではないんですね)

 

 

 

 

じきに結婚する26歳が妄想する青春とやらを

自動販売機という機械を、皆さんはご存知のことと思う。

私も一応、存じ上げておりますこと、その事をこの場をお借りて絶賛、表明させて頂きたく思う。

私という人間は、自分の職場、工場敷地内に設置されている自販機という自販機(以後自動販売機を自販機とする)を、全ての自動販売機の位置情報を脳内で見事に天晴れつるんと掌握して、各々の自動販売機の何行何列にボスのブラックアイス!なっちゃんおれんじ!みたくピンポイントで座標を指定できるのだ。

こういう私の酒の肴にもならん一種の特技は正直なところ田んぼのかえるのゲロ程にもならんし、そもそも一般職のゆるふわ女子と自販機の話で絶頂の最中に他の男との絶対的な格見せつけるために、世間で言う所のマウンティングを画策した私はこの自販機全知全能の神である事をうっかりさえちゃんに明かしてしまうのだった。

「なら、やまもとくんさ」

「はい、いかがいたしましょうか...」

「第五工場北門寄りの自販機2行3列」

「普通のアクエリ」

我々、暇人御一行は、工場の脇を日焼け止めを腕に塗りたくりながら歩くさえちゃんを先頭に男三人がぶら下がる形となり、このクソ暑い時間帯、昼休み真っ只中の工場を突っ切って、北門に向かう羽目になった。

休憩終了時刻は13:00ジャスト。

現在時刻12:40。

実際、我々のいる建屋と第五工場と北門は対岸に位置するため普通に歩いても十分弱。往復でちょうど我々の休み時間は炉心溶解し、この炎天下、私の手に握られたガツンとみかんもつらつらみかん位には降格するのだろうと背筋がゾッとして、なぜか涼が巡ったのでよし。

例の自販機に着くと要件は一瞬にして片付いてしまった。私はにぎょうさんれつあたりをてきとうに指差した。無感動らしき声が飛んだ

「ほんとだ」

明日都心に雪が降る事を予報で知った15歳みたいな声色だった。私は胸ポケットから小銭を出して何となく、あの二行三列に、わたしの指はふらふらと向かって行った。

ことん

今日は爽健美茶が降ってきたよ

 

ファミチキで線を描く

[ファミチキで線を描くとね]

アスファルトは夕陽から放たれる一線を此方にくれてやった。逆光、あのガールズの黒い影がこちらに向かって、その手を伸ばす。

彼女はきっと右利きだろう。

と、なぜかこの逆光のなかその程度の感想を抱けただけでも、私はこれ程の嬉しいことがあるのかと思った、思ってしまったわけです。

左手にはふわりとした塊を指で軽く折り曲げて、手を止めたまま転がして遊んでいる。

滴り落ちるのは、右手の方々からでガールズがそれを強く握るのがこちらから分かると、またそれはぽたり滴り落ちる。丁寧に舗装された路面に

私がガールズと定義した一応の存在は、眩しい西陽に立つ何かであって正直なところまだ何者でもすらない。今のところ確からしいことが一切ないしその確からしいことが、何か今後、将来的に増えていきそうといもの、新鮮な希望をこちらに抱かせる隙というものがないように思う。

私はその希望とやらを一切腰にひっ提げない割に、このお話しの底を、ガールズが硬い路面にファミチキを押し付ける様子を、アスファルトにべったりと肉脂が.....それで線を描くために腕をワイパーのように動かすはずである。そのはずだ。

ガールズはこの惣菜で何を描くのだろう?

眩しい、眩いが彼女の右利きが、右利き?が暗い顔と思しき方にゆっくりと向かってく。

刹那、陽が傾いた。その表情が伺えた。表情に動きはない。無機的な冷たさ。

整ったその顔に現れる唯一、唯一の動きは口元だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明日も数珠っす

布団の上を数珠、がぷかぷかしてる

明日の朝だか明後日の朝だか知らんが、情景、ともいえぬ一枚の絵に数珠が写り込んでいる

その絵は何というか、実際には見慣すぎた光景のはずなのだが、なぜか馴染みというものがこれ程ないのかと、思う

ベットに横になったまま少し背中を上げてその浮遊する絵に顔を近づけてみると、一つ一つが人間の型をしていて、それが数珠を成しているような気がした。小豆みたいな粒子が工場の門をそろそろくぐっていく。煩悩達がこの中で複雑怪奇な絡み合いを起こすということを考えると。朝を迎えるというのは、

 

 

すいみんうぉっち

18:00

寝ている人間というのはこんなにもつまらないものか、と思い知らせる。

わたしの携帯の命もまさに風前の灯といった具合で、どうにもこうにも本の一冊も無いしどうでもいい空想に耽る以外に、サンマルクカフェで過ごす術はないのだろう。

目の前の寝ている彼女は口をぱかぁとしてそこからは透明感ある雫が伸びては、重みに耐えられずぷつり切れる。という一連を繰り返して、自分に右腕に艶やかな、クレープを薄く熱いプレートにさっーと広げた様な涎の膜を生産している。

もう既に、彼女の親戚達とのビアガーデン宴はとうに始まっていた。彼女の親戚達が住むここ広島に遥々やって来て、彼女は結局、工場の夜勤勤務のツケが爆発してこの有様である。

18:17

血走った眼で

今の音何!

とちょっと外向けの出来る限り可愛いらしい声を作ったが寝起き感を隠しきれない何とも妙な音、そんな声を出した。わたしは

コーヒーを挽く音だよ

と説明した。

 

お盆!!!!!!!!!!

今日の、という日はいつもの朝に増して、朝が近い。はっきりとそれがわかる。昨日までの朝はというと、水平線の奥にぼんやりと揺らめいている、実体は依然掴めん。

近くのものと言ったら油に塗れ無造作に床に横たわる作業着のみ。

みんなたーんと創造してる

こんばんは。

滝川クリステルさんと小泉進次郎氏の結婚について素直におめでとうございます!という感想を述べるので終わってしまって一向に構わないのですが、SNS等を見ているとこの件に対して、「これはできちゃった婚ではなく計画的に子供を儲けたなぜなら(以下長文)」云々、ほとんど妄想と仮設の世界から拝借した物品を丁寧に練り上げる試みをする人種、本当にこれが多数続出するのです。

彼らの中では「この新婚夫婦(アナウンサーと政治家)が清純なもので大体の決定事項において端正な理性が働くはずだ」とか「でき婚が世の中的に白い目で見られる風潮を変えたい」とか「だって氏が流石にゴムをつけ忘れるとかあり得なくない笑?」とか、そういった願い達を捨て去ることができない。

私たちも、勿論わたしも含めて日常的にこういうことをある程度無意識にであるが実行している。これをバイアスとか思い込みとか偏見とか捉えることもできるが、少々乱暴ながらも創造力とカッコよく言ってしまうこともできると思う。

創造力は自分の中に眠る願い、これが突き動かす力だと思います。

別のことを書こうと思っていたのですが、今日はこの辺りでお休みなさい

 

憧れと恐怖の狭間

私には憧れがずっとあります。今現在はよく分からない、過去形で表現するのが適切かもしれない。憧れが始まったのは、それはほんの幼くして五歳、そこからずっと想い描き続けたウルトラマン、みたいなファンタジーチックで壮大な憧憬では残念ながらないです。今ちょうど出ててきたウルトラマンついでに幼少期(幼稚園くらい??)の自分語りをしておくと、観てましたウルトラマン、本当に毎週釘付けでした。

ただ毎週観ていてある一つのことに自分は気づきました。当事は明確な意識はありませんでしたが、あの時私は常に怪獣サイドの人間でした。

もう少しハッキリと申し上げますと、怪獣と正義が激突する際に私は常に怪獣を応援していました。今になって当事の私の心境を鑑みるに、ただ不憫だったのだと思います。毎回彼を引き立てて挙句、怪しい獣とかいうぞんざいな字を充てがわれる。合コンでいじられキャラを引き受けて周囲は彼を弄って盛り上がるだけ盛り上がる。結局、毎回お持ち帰りできずに虚しく俯きながらホームで電車を待つ怪獣を見てられなかったのでしょう。もちろん怪獣さんがやられるのはそれ相当の理由があって、遊園地破壊したとか大阪城ぶっ壊したとか、でも当時の私はそんなことはクソどうでもいいと思ってました。

私はテレビの視聴を終えた後、勝手に不憫認定した怪獣をレゴブロックでなるべく忠実に再現するという健気な、そして愚行にも似た行為をするのが日課でした。リビングから子供部屋に移動している間も、レゴを手に取るまでの僅かながらの時間も、先ほど脳に焼き付けた不憫なケモノたち、彼を頭の中からこぼさないように、決してこぼさないようにと一生懸命でした。理科系に進んで鳥人間をやったりエンジニアとして働いてるのも、この時の頭の中で描いて手を動かして組み立てるという行為に少々ネガテイブな表現ですが、障壁があまり無いから、かもしれません。

ウルトラマンの話から少し幼少期の話に飛んでしまいましたが、憧れにバックしたいと思います。(以前までは日記を書く際ある程度の話はまとめてから書くスタンスだったのですが......)憧れは単刀直入に私の兄です。一発成功した人間や有名人ではなく割と身近な五つ離れた兄でした。こういうのを確かロールモデルと巷では呼ぶそうですね。

私にとって彼は私の行動指針のほぼ全てでした。それは単純に、シンプルに人生楽しそうだったからです。中学生くらいから好きな歴史書をパンイチで一日中読み漁り、オタク友達と毎晩スカイプで朝まで喋り、高校は週二くらいサボって家の目の前のブックオフに居座ったり、ともあれば学者になるために客観的に見てもそこまで優秀な方でもないのに博士課程に進学したり...何というか自分の感情にダイレクトに舵を切ることができる人間でした。

兄はどちらかというと破天荒な方だったので、一般大衆社会を重んじる母親からはいつも厳しく叱られ、罰せられました。私は小学校から中学くらいにかけて、毎日のように兄が叱られる光景を見て育ちました。反抗する兄がレプリカの日本刀みたいなものが障子を突き破る光景だったり激しく口論する様子を見ていたので、気づけば私の心の中に占める感情は母親に叱られたくないという云々で覆い尽くされるようになってきました。

先程、私にとっての行動指針のほぼ全ては兄だと申し挙げました。しかしながら、結果として私は兄のような素直でそれなりの芯のある人間にはなりませんでした。なぜなら、私の行動指針が兄の行動であるのは事実だが、私が実際にいつも取る行動は「兄と真逆の行動」だからである。兄と逆の行動をとることが絶対的な案牌であり、母の逆鱗から逃れる安全地帯だった。それは確実に、穏やかなひと時を送れる何よりも信憑性の高い行動指針だったのです。わたしは怒られたくないあまりに、ロールモデルと常に逆のポジションを取って生きてきてしまったということ。わたしは少年期に母親の心情を正確に事細かく把握する能力、これを得たのである。

 

 

ニート的思考が頭をかすめる

なんとなく半休を取って帰ってきてしまいました。帰ってくると鍵もあきっぱでエアコンもつきっぱなしで涼しくてもうこの部屋から次に出るとかよっぽどの事が起こるんでしょう。

 

明日朝会社にむかう

よっぽ度:★☆☆☆☆

理由:

・有給まだある

・特に、これといって死にそうにはない

 

おなかすいた

よっぽ度:★★★★☆

理由:生命活動に支障をきたす。かいにいかなきゃ

 

トイレ行きたい

よっぽ度:★★★★★

さすがにトイレくらいはいきますよ

 

水羊羮食べたい

よっぽ度:★★★☆☆

理由:透明のある夏を、感じてたい。こんびにいこ

 

つかれまひた。おしまい

 

part2

この間の続きです。

 

ちょっとウォーミングアップにおさらいでもしようかと思います。おさらい。皆んなすきですよね。話アラスカ辺りまで飛んで申し訳ないっすが今し方、自分で文字を打ってきづいのが

〇〇。みんなすきだよね。

という口語表現、型、そういば会話の中で結構取り入れてるなと思いました。文末には

(俺はお前らとは違ってんなもんすきじゃねぇーけどな)

みたいなものが隠されているものです。

これは殆ど余談の余談です。と言いたいところですが…………

おさらい、にちょっと寄り道して先に進もうとしたら、もうわたしもブツがはみ出てしまったようです。

先程の先輩の例題みたくあからさまではない。密かに、静かに、我々は毒を盛る。真夏の怪談のように背筋を柔らかいものがさっと這ってそれからゆっくりと全身を巡りしに至らせるものは……

それはわたしの描きたい隠蔽ではない。