2022.2.1

しゃがむオッサン。

しゃがんだオッサンを背後からみた。しゃがんだオッサンをみたのは久しぶりな気がした。物流倉庫のパレットの前で品番の確認をしているこの人のボクパンが背中の腰辺り位から僅かに垣間見れた。

垣間見れてしまった。という言うべきであろうか?

ただ、わたしは西暦2022/1/20を境にして、要は娘の誕生以来、確実にわたしは私でなくなった。それはどういうことか、何かズレた世界を跨いでべつの空間に迷い込んでしまっているようなのだ。

従って、私にとって50半ばの顔黒ヤニ臭工場作業員ことオッサンBの垣間見れるなにかが、すごく愛すべき存在、愛すべきパンチラ、愛すべき可能性に昇華するということが。

あるそうなのだ。

それはこのBさんも昔はうちの娘のように、きゃっきゃわっちゃしていたわけで、どうも産まれたてから自販機よこの喫煙所にてジョージアのクソマズ缶コーヒーにうつつを抜かしつつゲラゲラやっているわけではないのである。

私はオッサンBの産後が見える。産湯につかるこの人が見える。新生児へと還元されたひとが。

それが見えるが故に、わたしはこの新しい世界で目が回ってしまいそうで。