最近、人とモノを作ろうという話になり最初の企画段階からやっている。ようはアイデア出しの段階だ。
ひとえに人と協働でものを作るという経験は、たいへんに貴重なものである。メーカーに勤務しているわたしもそれを味わえるという経験はほとんどないといっていい。全てフローの中にシステムとして組み込まれて、右から左へ、私たちはそうして生産をするからだ。
アイデア出しからやっていると、友人は全く自分とものの見方が根本的に異なるのだという事実に直面する。そうすると、折り合いを付けるのがむずかしく感じたり、こいつは何もわかってない!というようなラジカルな気分に支配されたりもする。
そういう感覚の由来は、常におのれである。自分の意見を相手に認めさせるゲーム、といった風に協働を捉えているうちにそれは亡霊のように生じてくる。
その亡霊をむげにあしらう必要はないものの、協働の意義をひつように応じて、こまめに振り返ることが大事だろう。これはわたしがわたしに向けて言っていることだ。
協働はとてもやっかいだが、厄介なほどその報酬は多いだろう。