衛生観念すれちがい

「こんばんは。」

「こんばんは。」

「自分で言ってあれだけど、こんばんはっておかしくないですか?」

「なんで、ですか?」

「これを仮に読んだる人間がいたとして、その人からしたら、今が昼だろうと夜だろうとどうだっていいじゃないか。」

「たしかに、、、それは一理ありますね」

「三理は厳しい?」

「なんで突然競りみたいなことするんですか」

「いまので三理あれば、この飲み会のあとタクシーで帰ろうと思ったんだ」

「初乗り無料とかあるんですか」

「いや、ないよ」

「フィクションですか」

「そうだよ、悪いか」

「らーめん山岡家ですら、10枚ですよ。一杯無料まで」

「まぁ三理のはなしはいいよ、そんなことより、水筒に水を入れていって」

「入れていって」

「その水筒を持って帰ってきたら、洗うか?」

「何言ってるんですか?洗いますけど」

「そうそう、おれも正確には洗ってるんだわ。洗ってわぁいるんだよ。でも、口のとこしか洗ってないわ。口は洗うよ、そこから雑菌が繁殖すんだろ?だから洗うよ。でも」

「でも」

「水筒の中は洗わんでええよな?」

「なんでわたしに確認するんですか」

「なんでって、確認してるわけじゃぁないけどさ」

「いや、わたしは意味は分かりますよ。中身が水だが洗う必要ありますかってことですよね?」

「そうそう。」

「そもそも、人に確認するというその行為の意味がわかりませんけど、奥さんにでも聞いてみればいいじゃないですか?」

「それは無理」

「なんでですか?」

「妻は、たぶんあっち側の人間なんだよ」

「その含みは、わたしはあっち側でないと?」

「(黙って頷く)」