金曜日の歌

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金曜日に表現はいらない。金曜日はそれだけですでに完成しているのだから。金曜日に駄文も名文も見栄も何もいらない。全ての金曜日以外は金曜日のために存在している。豪勢にしてかつ孤高でもある。金曜日は出っ歯である。金曜日は永遠ではないが永遠でないからこそ、金曜日である。金曜は有限である。

お前は金曜日のために仕事をしてるのかと問われれば、わたしはそうですと答えるだろう。

お前は世の中のために仕事してないのかと問われれば、わたしは金曜日のためですと答えるだろう。

お前は何のために存在しているのかと問われれば、わたしは金曜のためですと答えるだろう。

お前の人生そんなんで悲しくないかと問われれば、わたしは雨が降ってきたので軒先に駆け込んだとだけ言うだろう。

あぁ金曜日。金曜日。華金などでは語り尽くせない。華金などでは、足りないくらいわたしはこの時間に存在のすべてをかけていたい。あぁ金曜日。毎日金曜であればいいのに。その仕方では金曜日はもうすでに金曜日ではないのだから、そんな馬鹿なことは思っちゃいけない。それでもこの世に論理のようなものがなければ、いいのになと思うが、論理がなければ毎日金曜になるものの、それでは金曜を堪能できない。あぁせっかく毎日金曜日になったのに。