KIWAMIサウナ 日報

本日は、名古屋の極みサウナに伺いました。


平日も常時今日の予約でソワソワしており頭がいっぱい。仕事なんぞに手がつくはずは到底ありません。名物の水深2m水風呂へのダイブを妄想しつつ、上司の声がだんだんの近くなるのを感じた。山本クン?聞こえてる?はい、大分きこえておりませんでしたぁ。

古民家をリノベーションした施設内に入ると気さくなスタッフの方が迎えてくれた。お初の方はLINEの友達追加をして動画をみてくれとのこと。動画を再生するも爆音で音が流れてなんだか気恥ずかしい。
ロッカーキーを受け取ると、受付の斜向かいの一段上がったところに、入り口からの秋風に煽られる暖簾がみえた。バリアフリーとは程遠いかもしれないが、この玄関が何かまったく知らない別の世界につながる、孔のように感じた。

靴を脱いで暖簾をくぐると脱衣所の空間が早くも広がる。靴をしまおうとすると玄関の近くに靴棚はなくて、恐らく、各自に割り当てられたロッカーに靴を仕舞うシステムであることに遅れ忍ばせながら気づいたこの鈍感人は、あっ自分の所作は完全に初来店ムーブだなぁとメタ認知しつつも、それを一蹴。これからやって来る週末の極みマジックに心を踊らせながら力強くロッカーに歩みよった。

後から別のお客さんも来たようで、わたしはこの方々とロッカーが隣合わないか、一抹の不安を覚え始めた。しかし、不安は現実のものとなるのは、一瞬だった。わたしは申し訳なさそうにロッカーの扉の角度を60度くらいに絞りつつ、そそくさと服を脱いだ。

脱衣所のとなりの空間には、シャワー室が6つほど鎮座していた。ガラス張りのシャワー室。入るとわたしはシャワーを左手に持ってプッシュしたが、頭の真上から冷水が急に降ってきてきゃっとかわいい声をあげてしまった。自分の思ったところから思ったものが出てこなかった。手持ちのシャワーヘッドからは一滴たりとも水は落ちていない。よくみると、真上に備え付けの別のシャワーが取り付けてあり、そちらから水がでてきたようだ。よくよくみると、プッシュボタンも二つあった。思ってもないところで冷や水を浴びたわたしは全身に鳥肌がたちぶるぶるしたが、また不注意をやってしまった。さすがドジっ子adhdである。

サウナ室に入るとなんとも言えないアロマの香りが鼻腔の奥を刺激した。正確に、これこれの香りだ!と名称を言い当てるのは到底無理だが、森林浴をしているような気分を味わえる香りだ。と思う。扉の正面にはサウナストーンがひしめきあってそこに無骨に存在してる。無機質なそれらを取り囲む、温もりを感じさせるあの白みの効いた木々がその空間に張り巡らされていた。床の簀子を踏むと新しい施設なのか、軋む音はない。自分はあの音がなぜか好きなので少し残念に思った。わたしはまずサウナ室にお邪魔すると、さっそくセルフロウリュをやってみた。初体験である。これは後から知ったのだが、皆、セルフロウリュをするときは、サウナ室にいる人間に「いいですか?」「いいですか?」と簡単に1人ずつ聞いて回るというこれまた丁重な文化があるということを知った。わたしがこの文化を知ったときには、新幹線の座席を後ろに倒すときに、後ろの人に声をかけるか問題が脳裏にちらついたが、今回の話はその新幹線問題とは根本的に異なることに気づく。

セルフロウリュウの場合は、もちろん部屋に蒸気が回るので一気に体感温度が上がる。基本的に多くの客はこの体感温度の上昇を求めており(わたしはそう思っているがどうなのだろう?)セルフロウリュウをした人間に対して、わざわざ席を立って水を撒いてくれたことに感謝をするくらいの人間がいても、なお、おかしくないのだ。

それでも、ロウリュウを連発するだけがサウナではない。というマジョリティではない思想をもった人間への配慮が、この文化がある所以ではないかとわたしは感じた。この業界について無知だが、そうした所作やルールが、このアクティビティに対する楽しみ方の多様性を示していることに気付かされるのであった。

アジフライ食べました。

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