2Lのツッコミ待ち

2Lペットボトル。

サントリーの天然水。

この透明な文鎮を毎朝会社に携えていくのがいつしか日課となった。これはこれは、身も蓋もないことを言うとこれはただのツッコミ待ち、言うところの儀式なのである。しかしその期待値のわりに水は重すぎるのは言うまでもなく社宅から工場までの15分間この重みに耐えねばならないし、耐えたかと思えばその割に机に鎮座する2kgのこの重力に対して何か大喜利を、ささやかなコメントをしてくれる心優しい人間など現れるはずもなく、そもそも誰もミネラルウォーターなどに目を止めすらしないのである。

そんなことは当たり前だ。逆にこの2Lのペットボトルに反応しなかっただけで非常に私的なブログという空間であってもそんなことを陰口のように囁かれては正直たまったものではない。そんなのは、ただメンドクサイ奴がここにおりますで話が終わっても一向に構わないし、係員の下っ端の端くれが構ってもらおうなどつけあがるなと言われれば、それまでである。

実を言うと、わたしはこの2Lのペットボトルとほとんど同じアナロジーがこの私的な日記なるもの自体に見出せるということに、(前々から気づいていたと言うと嘘になるが)、少なくとも冒頭の書き出し頃合いくらいから密かに察しがついていたので、私はこの2Lのペットボトル的な人間世界への干渉を、不器用な関わり方を様々な場面で無意識のうちにやっていることになる。

これは、どんなに赤裸々に正直に書こうとも幼稚であることは免れないことは確かだ。でも、幼稚で結構、なのである。私はツッコミ待ち状態を今後も多分貫いていくだろうしそれを変えようとは思わない。これはただの強情である。