手羽先

今日も手羽先を買ってしまった。

手羽先を初めて美味いと本当の本当に心の底から思ったのが昨日だった。その昨日から日数にして僅か1日経った今日も手羽先を5人前テイクアウトしたのは、昨日と今日のわたしが割りかし近い存在であることの確たる証拠でもある。手羽先をひとたび好きになったら手羽先が嫌いになるまで食い続けるというのは、自分という人間のそこに向かう情熱が尽き果てるまでどこまでいけるか?という種の挑戦、というレベルの下らない話になるわけで、そこ付き合わされている手羽先に、私は同情せざるを得ないのだ。

ちょうど、わたしの幼稚な遊戯に巻き込まれた手羽先Aに話を聞く機会があったので、ここにその議事を公開しようと思う。もちろん、手羽先の生の声を聞くチャンスそうそう無いわけでわたしは無心でメモを片手に、左手でビールを煽りながらなるべく深刻な空気感になるぬように気を配った。

 

Q1.Aさんは左の羽ですか?それとも右ですか?

 

これに対する手羽先Aの回答

この質問は非常に多い質問です。私たち手羽先は正直この手の質問を受けると大概、非常に困ってしまうのです。自分が右だったか?左だったか?人間はよく自分の思想や価値観、政治的な立場をこの左右で表現するようですが、そういう知識を前提とした回答を期待してるのではないことは我々手羽先も十分に承知しているのです。とにかく、私たちは左右に興味がありません。親友の手羽先Bも恐らくは右なのですが、大分仲良くなってから分かったことで、しかもそのわかったのが両者が詮索しあった結果に判明した右という結果ではないのです。たまたまわかったことで、しかも今思い返してみるとBは左だったような気もするのです。

そのくらいどうでもいいことです。