エアコンお掃除

3・17

 

ものを分解することが家内の趣味かもしれない。

どうしてか分解することが楽しいらしい。今回白羽の矢が立ったのは、エアコンだった。

勿論、妻も分解することそのものが目的ではなくて、エアコンクリーニングをやってみたいとのことだった。

ただ、エアコンクリーニングの大義名分の裏には、分解という愉悦が潜んでる事は経験上理解できた。

エアコンクリーニングもしっかりと調べていないが、メーカーか何かのちゃんとしたところでやると15kくらいのお値段がするので、馬鹿にならないというか、万年金欠の我が家にとってこれは一向に致命打になりかねない。

 


とりあえず妻はエアコンの下に丸椅子を置くと、どうぞと、椅子の上に至急乗ってくださいと言わんばかりの手を上品に添えた。

わたしは基本的に妻の指示には従うので、丸椅子の上にすぐ乗った。ホコリがフードの上にも薄ら溜まっている。わたしは特に気にならないが、妻は多分こんなのをみたら速攻フキフキしたくなるんやろな、とか思った。

妻が三菱重工ビーバーエアコンの清掃ブログを見ながら、何処のパーツを外せだのなんだの要領よく指示していき、それに沿ってわたしがバコバコ外していく。

我々は無心になって手を動かしていたら、なんだか当初の目的を忘れていたのかわからないが、気づいたらコンデンサやらの素子とメッシュ状の熱交換器が剥き出しになったなんだかプロトタイプみたいな状況になっていた。

これを戻すということを、私たちは忘れていたのかもしれない。

進む以外に脳がなかったし、わたしも分解の魔力に魅せられていたように思う。

妻は以前から分解が好きだと言ったが、妻の手によって葬られた機器を、わたしら幾つかは知っている。

たしか一つ目はあの扇風機だったと思う。ちょうどこの社宅に越してきた一昨年の晩夏の頃も、金もなくだだっ広い社宅でやることがマジでなにもなかった。

分解すること以外に。

その扇風機は妻による不可逆の迷宮に迷い込んで、そこから出ることはこの先もないと思われる。

 


この日記なるは実のところは身も蓋もない話をすると、3・18日に書いている。3・17に体験したことを後日にまとめて書いている。

なぜそんな話をしたかは、わたしは、エアコンが今現在しっかりと稼働していないことを知ってるから、という話で。