サボり

布団の中でモゾモゾしているわたし。かれこれ1時間弱はこうして寝返りをうちながらスマホを片手に握り、わたしの欲しい情報にアクセスする。

 

会社 行きたくない

会社 ADHD  無理

会社 休職

 

Chromeの検索履歴をこれらの文字列が無機的に、冷蔵庫の卵のように陳列されている。

わたしが所望している情報は何なのか?それは至って単純で会社に行かなくても良い理由を、それを発する声を闇雲にただ探すのである。それがネットの有象無象の荒海であろうと構わない。わたしは何か武器を手に入れなければならず、その武器がエクスカリバーであろうが贋作エクスカリパーであろうが、そんなことは気にも止めない。現時点のわたしを救う手立て、手段、楽になる一番の道を肯定してくれるそんな言葉をただひたすらにエナジードリンクのように摂取し続ける。

それから私は自覚する。既に腹は決まっていた。

わたしは1時間弱やっていたことは、自分の決断の妥当性について、それを擁護するような意見をただ欲していただけだった。が、それもそろそろ自覚的になり始めた頃には阿呆らしくなり始めた。何故なら本日会社には行かないことは決定事項であること。しかもわたしは自分の都合の悪い情報は視界に入れないのである。

 

サボりというのは、このような社会的なコンセンサスが必要なのである。これが、皆んなの合意とは異なるもっと捻じ曲がったものであることは勿論否定できない。が、少なくとも私のようなか弱い生命体には必要なことである。

このような異常な執念が働くような状況に、自分が追い込まれていることは問題であろう。